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パリ最新情報「パリ発の注目アップサイクル・アクセサリー!」 Posted on 2021/11/07 Design Stories  

 
シンプルなファッションを好むパリジェンヌたち。
彼女らのデイリースタイルで思い浮かぶのは、ニットとデニム、足元にはスニーカー、ヘアスタイルはシニヨンで、というシンプルなものだ。


エフォートレスなのに洗練されて見えるのはなぜだろう?と思っていたが、実は「アクセ術」がとても上手なことに気づいた。
服はシンプルでも、アクセサリーコーデが上手な人はおしゃれに見える。
実は最近のパリでは、そんなアクセサリー事情にも少しずつ変化が起きているようだ。

ファッション業界を中心に、「アップサイクル」なものづくりが浸透している。
これは、本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードすることだ。
例えば、はかなくなったジーンズからバッグを作ったり、古くなったシーツをアレンジしてクッションに変えたり、といったことが当てはまる。


そのアップサイクル術が、アクセサリーの分野でもじわじわと浸透しているというのだ。
パリ2区にあるアクセサリーショップ、「Les fille paris(レ・フィーユ・パリ)」では、そんなアップサイクルをとり入れた方法で世界で一つのアクセサリーを製作、販売している。
 

パリ最新情報「パリ発の注目アップサイクル・アクセサリー!」



 
「Les fille paris(レ・フィーユ・パリ)」のオーナー、シルビーさんは、ほかにもう一つの店舗を持つ女性実業家。
ロックダウンで一時閉鎖を経験したものの、パリのテナント料が下がったことを逆にチャンスとして、2店舗目の「L’EFFET BULLES(レフェ・ビュル)」をオープン。


そしてもともとあった古いブティックを「Les fille paris(レ・フィーユ・パリ)」と改名して、日本人のアクセサリーデザイナー、ビュジュティル・未穂さんにお店を任せている。


「もともとシルビーのお店に私のアクセサリーを卸していて、彼女に『あなたの商品は売れるから、やってみない?』と声をかけていただいたのがきっかけです」と語る未穂さん。
ロックダウン後の開店でも、「コロナ前と比較するものがなかったので、上がる要素しかない、と期待しました」と明るい表情で答えてくれた。
 

パリ最新情報「パリ発の注目アップサイクル・アクセサリー!」

 
買い付け、デザイン、製作から接客販売まで全て一人でこなすという彼女は、日々の小さな幸せをものづくりに反映させているという。
インスピレーションの源はパリの街であったり、エクスポジションや、蚤の市などさまざま。


ブティックには「昔の洋服にあった陶器のボタン」や「シャンデリアクリスタル」などを用いた、レアなアクセサリーがたくさん並ぶ。
どれも大手ブランドには無いようなデザインばかりで、日本人ならではのきめ細やかさも特徴だ。
 

パリ最新情報「パリ発の注目アップサイクル・アクセサリー!」

パリ最新情報「パリ発の注目アップサイクル・アクセサリー!」

 
最近のパリでは大ぶりがトレンドの様子で、パリジェンヌに人気のブランドはどこもボリュームを出した商品を展開しているという。
また、自然や、天然石にインスピレーションを置いているブランドも多く、石付きが目立つ、とのこと。
 



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パリ最新情報「パリ発の注目アップサイクル・アクセサリー!」

 
ところでパリジェンヌは、みな自分の好みがしっかりしていて、自分に合う合わないを知っている。財布の紐もかなり固い。オススメをしても、「私はこっちが好き!」と未穂さんの意見を聞かないこともあるそうだ。


しかし、アップサイクルなアクセサリー作りについては大好評だという。
「消費の時代が終わり、これからは後世、次世代のジェネレーションに受け継いでいけるものづくりが必要だと思います」という未穂さんのアクセサリーと、好みがぴったり合っている。


そんな「Les fille paris(レ・フィーユ・パリ)」では、アクセサリーのオーダーメイドも受け付けているほか、ヴィンテージ小物や家具の取り扱いもある。
 

パリ最新情報「パリ発の注目アップサイクル・アクセサリー!」

 
他の人と被らず、個性を求めるフランス人にとって、ハンドメイド+アップサイクルなアクセサリーはストライクにはまる。
大手ブランドとハンドメイドブランドの二極化が進むなか、こういった顧客に寄り添うお店はありがたい存在だ。


最近のアップサイクル商品は、デザイン性も格段に進化していて見逃せない。
パリでは、地域の子どもたちに資源を大切にすることを教えたり、創造力の育成を行うワークショップが多く開催されている。
近い将来、アクセサリーがその主流となるのは間違いないだろう。


ジュエリーやアクセサリーは洋服のトレンドとは違い、「お守り」のような役割を果たしてくれる時がある。
時を超えてやってきたパーツとともに、生まれ変わるアクセサリー。
娘や孫に受け継いで、大切な記憶を繋げていきたいと思った。(ル)
 

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