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パリ最新情報「10月25日は世界パスタデー!フランスでお馴染みのパスタとは?」 Posted on 2021/10/26 Design Stories
10月25日は世界パスタの日。
1995年にイタリアのローマで始まったというこのイベント、今では世界中に広まり、25日に合わせてパスタの魅力を伝えるさまざまなイベントが開かれている。
パリでは、TimeOutParisなどを中心にSNS上で盛り上がり、パスタが美味しいと評判のレストランやパスタレシピなどがひっきりなしに紹介されていた。
パスタといえばイタリアのイメージだが、フランスでも本当によく食べられている。
種類は実にさまざまで、スパゲッティ、タリアテッレなどのロングパスタをはじめ、ペンネなどのショートパスタ、そしてラザニアなど、ありとあらゆるパスタが存在する。
その消費量はフランス人1人につき年間8kmにも及ぶそうで、今ではレストランでも家庭でも欠かせない食材となった。
多国籍なパリの街には、世界中のあらゆる国のレストランが軒を連ねている。
どんなジャンルの料理もよりどりみどりなので、当然パスタ料理も手が込んでいて面白い。
例えば写真の「イカ墨のニョッキ」などは淡白な白身魚との相性が良く、見た目にもインパクトがあり、フランス料理らしい技が光っている。
それでは、家庭ではどんなパスタが好まれているのだろうか。
近隣諸国の文化がミックスされたフランスのパスタ事情は、実にバラエティに富んだものだった。
こちらでは、家庭で料理されるスパゲッティは「ボロネーズ」か「カルボナーラ」が一般的なようだ。どちらかというとベーシックなレシピが多く、日本のように味や具材で冒険しないイメージがある。
食べ方もパスタ、ソースと分けているのもフランスらしい。
もちろん最初から一皿に盛り付ける家庭もあるが、余ったソースをバゲットと一緒に食す、というのがやはり楽しみなようだ。
かなり柔らかい茹で加減がお好みらしく、あらかじめ茹でたスパゲッティを皿に盛り付け、レンジでチンという時短料理も多い。
そして、「世界最小のパスタ」と呼ばれるクスクスも、家庭料理に欠かせない。
もともとは北アフリカ発祥だというクスクス、用途はさまざまである。
野菜やレモン汁と混ぜて「タブレ」と呼ばれるサラダにしたり、煮込み料理の付け合わせにしたり。
バターを加えればバターライスの代わりにもなるので、トマトソースやカレーのサイドにとても良く合う。
ゆでる必要がなく、お湯と混ぜて5分蒸らすだけ、という簡単調理も魅力。
働き盛りのフランスのお父さん、お母さんの強い味方となっている。
そして、フランス独自のパスタといえば、コキエット(coquillettes)がある。
コキエットとは、フランス人が日常的に食べるショートパスタで、マカロニよりちょっと小さい。
普通のパスタと変わらずにどんなソースにも合わせられるが、最もポピュラーなのはグリルチキンの付け合わせとして 、またベーコンと合わせてクリームソースでいただく方法だ。
夏にはサラダにも登場する。
また、フランスの国民食であるグラタンとも相性が抜群。
ミネストローネといったスープに入れて煮込んでも、大きくなりすぎずに味が良く染み込む。
フランス人にとってはあまりに日常的なため「ごちそう感」がないというものの、こういった手抜きに見えない手抜き料理の存在は必要だ。
フランスの主食は言わずと知れたバゲットであるが、実はお米もパスタも頻繁に家庭料理に登場する。
そしてロックダウンで自炊生活が長引いたせいか、パスタの需要は以前よりさらに高まった。
フランスのパスタ事情はお隣イタリアと比較されることが多いものの、こうしてフランス人は自分たちなりにパスタを変化させ、楽しんでいる。
お国柄がパスタにも表れるように、パスタで異文化交流、というのも面白いかもしれない。(内)