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パリ最新情報「ホテル・リッツのパティスリー、現る!」 Posted on 2021/09/24 Design Stories  

ホテル・リッツといえば、パリ一区にある壮麗な高級ホテル。
5つ星の上の最高級クラス「パラス」の称号が与えられたホテルで、フランス流の素晴らしいサービスが約束されている場所である。

パリ最新情報「ホテル・リッツのパティスリー、現る!」

そんなホテル・リッツが、カンボン通り38番地に初のスイーツ専門ブティックLe Comptoir(ル・コントワール)をオープンさせた。
敷居の高さを感じさせるホテルに入ることなく、誰もが気軽に利用できるパティスリーができたというのは結構嬉しい。

オーナーを務めるのは、ホテル・リッツのシェフパティシエであるフランソワ・ペレ氏。
ペレ氏は、シャングリ=ラ・パリのシェフパティシエを経て、ホテル・リッツのリニューアルオープン時に引き抜かれた、フランスの若きスターパティシエだ。

2019年には世界最高のパティシエを決めるPrix Valrhona du Meilleur Pâtissier de Restaurant du Monde(世界最高のレストラン、パティシエ賞)でグランプリに輝いている。

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ル・コントワールのコンセプトは、「持ち帰れるリッツ」。
ジャイアント・マドレーヌやマーブルケーキなどに代表されるペレ氏の作品は、味覚、視覚の両方において群を抜いている。
そんな素敵なパティスリーをすべて、テイクアウト可能にしてしまったのだ。

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2020年にはNetflixにおいて、ペレ氏のドキュメンタリー番組「The chef in a truck」が放映された。番組の企画ではあるものの、彼はホテル・リッツを飛び出し、ロサンゼルスに移動する。そしてフードトラックでスイーツを製造販売するというかつてない経験に挑んだ。

ペレ氏によるとこのチャレンジは、後のル・コントワール設立に大きな影響を与えたという。
たとえば、手づかみで食べることによって食材の波動を直に感じられることや、美味しいスイーツを楽しむのに高級なカトラリーは特に必要ない、といった内容だ。

そのためル・コントワールでは、新作を発表するというのではなく、今まであったホテル・リッツのスイーツを新しいコンセプトで提供している。
つまり、リッツの高級感に食べやすさとライトさが加わった、というわけである。

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まず、なによりお伝えしたいのが、ル・コントワールのヒロインスイーツ、マドレーヌの素晴らしさだ。

フランソワ・ペレの十八番といえば、マドレーヌ。
ホテル・リッツもまた、「サロン・プルースト」にて極上マドレーヌをサーブすることで有名だ。

ル・コントワールでは、ペレ氏のヒット作であるマドレーヌが1個(3,20€)から購入可能。クラシック、ブラックベリー、栗の蜂蜜、チョコレート、キャラメル、フランボワーズ、パッションフルーツの7種類がある。



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コーティングされた外側のフレーバーはとても上品で、意外にも甘さ控えめ。中にはとろけるクリームが秘められていて、口に運ぶたびに幸せホルモンが増すようだ。クラシックなマドレーヌなら、プルーストのように紅茶に浸していただくのも素敵かもしれない。

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フランソワ・ペレ氏本人とホテル・リッツの創業者セザール・リッツのイラスト入りのギフトボックス入りも可愛い。(5個入り19€、8個入り29€、12個入り40€)
常温で5~6日は保存可ということなので、これは最高のパリ土産となりそうだ。

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ペレ氏はマドレーヌをホテル・リッツの「アイコン的な」スイーツとしていて、さまざまなバリエーションを編み出している。

例えばバニラムースなどを包み込んだ写真のマドレーヌケーキは、フランスパティスリー界の重鎮、ピエール・エルメ氏も「The chef in a truck」の番組内で「マスターピース」と紹介するほど。

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ほかにも、ミルフィーユの概念を打ち破った「ミルフィーユ to go」や、棒状のクロワッサンなどが人気だそうだ。テイクアウトし、外で気軽に食べることを想定してこの細長い形になったという。クロワッサンはパラパラと剝がれにくく、外で食べるのにぴったりな形をしているのがありがたい。もちろん、味も素晴らしい。

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ユニークなのは、「Boisson Pâtissière(ボワソン・パティシエール)」という、ストローで味わうドリンク・パティスリー。キャラメル、マロンキャラメル、バニラキャラメルの3つのフレーバーがある。フランソワ・ペレ氏のパティスリーを「飲める」、特別なシェイクドリンクとなっている。



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店内の照明もマドレーヌ・カラーにしたというル・コントワール。
マドレーヌへの愛とホテル・リッツへのリスペクトが詰まった、とても可憐なパティスリーだ。

ここから歩いて5分ほどのところにはチュルリー公園がある。
持ち帰ったスイーツ片手に公園でのんびりするのも良いし、オランジュリー美術館の帰り道にホッと一息、紅茶とマドレーヌで休憩するのも良い。

なにより、世界最高のパティシエが作るスイーツを、誰もが気軽に楽しめるというのが大きなポイントだ。そんな「持ち帰れるリッツ」の登場で、パリのスイーツライフがまた豊かになものになった。(大)

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