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父ちゃんと作ろう!「みんな大好き、ペペロンチーノの大攻略総集編」 Posted on 2021/11/09 辻 仁成 作家 パリ

ペペロンチーノはみんな大好き。
ところがどうしてもイタリアンレストランのような味にならない。
なんでかな?
そこには、深い理由があるのだった。
今日はノーマルなペペロンチーノと、アレンジされたパパロンチーノの二つを、比較しながら、作ってみたいと思うのだが、後半に、ノーマルな作り方を書いておいたので、全体を眺めながら、父ちゃんの極意を盗んで頂きたい。
えへん。ごほごほッ。

父ちゃんと作ろう!「みんな大好き、ペペロンチーノの大攻略総集編」

父ちゃんと作ろう!「みんな大好き、ペペロンチーノの大攻略総集編」

※ この写真しかなく、掲載できませんでしたが、ニンニクの細かさはこれではまだ完全ではありません。もっと包丁でたたいて細かくすると本場に近づきます。この写真の状態でだいたい5分ぐらい微塵切りにしている感じです。もちろん、これでも十分ですが、イタリア人シェフの本当にすごい人はニンニクの塊が液状になるくらい、ギリギリまで叩いて、弱火で香りをオイルにうつします。ご参考までに・・・。一度、とことんやってみたものを実際に使われるとその違いが判りますよ。

まずは、辻家のパパロンチーノ、簡単で、ちょっとゴージャスな辻家の週末ランチの定番から、ご紹介したい。
ペペロンチーノは大好きなのだけど、シンプルな料理だから、もう一品なんかほしい、といつも思ってしまうので、生ハム添えたり、バケットかじったり、するのだけど、メインには少し物足りない感じがするのも事実。
そこで、育ち盛りの息子も納得、のパパロンチーノを考案した。
ようは、ペペロンチーノにミートボールのホワイトクリームが添えられたようなものなんだけど、週末ランチには最適だし、美味しいから、ぜひ、やってみてね。



ミートボールは塩胡椒した牛ひき肉(牛豚合挽でもいい)を手ごねして小さなボールを作ればいいのだけど、市販の冷凍ものでも十分においしい、簡単だし・・・。
たとえばIKEAのスウェーデン・ミートボールなんかでもいい。
これをバターで玉ねぎと一緒に炒める。今回、ぼくは紫玉ねぎを使用。
火が入ったら、レモン絞って、白ワインと生クリーム適量でソースにする。これで完成。

ペペロンチーノはいろいろと作り方があるけど、大事なのは、ニンニクを包丁で超みじん切りしたら、包丁で叩いて、叩きまくって、もう超微細にして、なんなら叩き続けるとネバッとしてくるので、そこまで執念でやるとかなーり美味くなる。
生唐辛子の種をとり、ニンニクと一緒にフライパンにオリーブオイルに浸らせゆっくり火を入れ、香りを移す。
硬めに茹でたパスタ、と絡ませる。
太目がおすすめだけど、バリラなら5番か7番(スパゲットーニ)がいい。
ディチェコだと11番のスパゲッティー二か、12番のスパゲティあたりが良い。
ディチェコとバリラの大きな違いは麺の表面がつるつるもちもちしたのがバリラ、表面がざらざらしてスープを吸いやすいのがディチェコ、かなぁ。
特徴的に正反対なのだけど、どちらも美味しいので料理にあわせて、使い分けるといい。今日はバリラの5番にした。庶民的なので・・・。
もう一つ大事なのは、乳化・・・。
麺をニンニクソースと絡めた後、ゆで汁をだいたい3分の2カップくらいいれると乳化し、とろみがつく。これが決めてになる。塩胡椒で完成。

父ちゃんと作ろう!「みんな大好き、ペペロンチーノの大攻略総集編」



ペペロンチーノを深皿に入れ、その脇にスペースあけて(あくまで脇にして)、そこにミートボールのホワイトクリームを添える。
ピーモン・デスプレット、柚子七味などを最後にふりかける、お好みで・・・・。
食べながら、口の中で混ぜていくのがいい。こうするとなんとなくダブルソースっぽい効果が出て、たまらないのだ。
あわせる飲み物のはプロセッコなどの泡、もしくはドライの白ワインとかかな。

さて、もう一つ、普通のペペロンチーノの作り方も伝授したい。

大事なことが、2点ある。
先にも述べた通り、まず、ニンニクは10分ぐらい包丁でみじん切りし続け、というか叩かなければならない。
これ、マジ、重要だす!!!
もう微塵を通り越して、粉塵を通り越して、バクテリアくらいになるまで、細かくしろと知り合いのイタリア人シェフに教えられたので、これはまねしてもらいたい。
これが、ペペロンチーノ攻略の鍵となる。
それから最後にゆで汁を加える、の二点目。
ゆで汁を加えることで乳化現象がおき、最高のトロミが出るのだ。

にんにくは芯をとって細かいみじん切りにし、最後はぬめりが少し出るくらい細かくしないとダメ。
これがペペロンチーノの重要なステップなのであーる。
これでもかというくらい細かくするのが美味しいペペロンのコツだ。
次に、塩を加えた熱湯でお好みのパスタを茹でますが、塩はかなり入れる。
これが乳化に役立つ。
表示の時間より1分短めに、するとアルデンテになーる。
フライパンにオリーブオイルをさっとひと回し、それと塩をひとつまみ投入し、にんにくと種をとって半分に折った鷹の爪、それからお好みで、アンチョビを加え火にかける。
弱火ね。
油に香りが移るまでじっくり火を入れるべし。
まず、アルデンテに茹であがったパスタを入れる。
続いて、白ワインを加えアルコール分を飛ばす。
そこにお玉1杯の茹で汁を加え乳化させる。必要であれば塩で味を調えて完成となるのだ、おお、うまそー。
ボナペティ!

父ちゃんと作ろう!「みんな大好き、ペペロンチーノの大攻略総集編」

※こちらがノーマルなペペロンチーノ。下がちょっとアレンジしたペペロンチーノ。

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ノーマル・ペペロンチーノ、材料。
お好みのパスタ。たとえば、リングイネ、またはスパゲットーニなど。(スパゲットーニは、最近のぼくのおススメ)  200g
オリーブオイル 大さじ3
アンチョビ、  一フィレ
塩       適量
にんにく    2~3片
鷹の爪     2本
白ワイン    50cc
黒胡椒     適量

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