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パリ最新情報「お父さんの育児休暇が25日間に!」 Posted on 2021/07/18 Design Stories  

父親の育児休暇が今月より最長25日間までに伸びた。以前は11日間だったが、二倍以上の期間になった。双生児や三つ子であれば32日間(以前は18日)である。
このゆとりは大きい。特にコロナ騒ぎで、産後に親やヘルパーさんのヘルプを頼みづらくなった昨今、出産後のママと小さなベビーの隣にパパがいてくれることは、ママには精神的にも体力的にも心強い。そして彼らを取り囲むファミリーや医師たちにとっても安心できることだ。そして何より、この初めての家族で過ごす休暇が、家族の絆を強めるものになることは間違いない。

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この法は7月1日以降に生まれた子供の父親に向けられているが、その子の出産予定日が7月1日以降でありながらも、その前に生まれてしまった場合にもあてはまる。やはり労働法が規定する3日間の出産休暇の直後に開始される義務期間と、セカンドピリオドとして子供の誕生から6ヶ月以内に21日間(双生児等であれば28日間)とれる非義務期間があり、一度にまとめてとっても良いし、何度かに分けることもできる。

もし子供の母親が、出産時に他の人と生活している場合、その人もこの休暇を受けることができる、と書かれているのがフランス的だが(=別れが多いという意味ではなく、愛があってこそ共に暮らす、という意味の「フランス的」です)、しかしもちろん、その「人」は、“子供の父親ではなくとも、その子供の母親との間で結婚か、パクスか、コンキュビナージュの、法的に認められている同居者であること” とも後に付け加えられいて、なぜかほっとする。そして同性婚を認めるフランスなので、男性でなくともいいということになる。

パリ最新情報「お父さんの育児休暇が25日間に!」



またサラリーマンであれば少なくとも1ヶ月前にその日にち(休暇開始日と終了日)を雇用者に伝えること、雇用者は従業員のこの要求に反対することはできないこと(1ヶ月前を過ぎてしまうと、雇用者は反対することもできるので注意だ)、そして従業員はそれを書面または口頭で雇用者に通知、と公文されている。「口頭」とはなんだか心配だ…という向きには、問題が発生した場合の証拠にもなる、受領確認書(書き留め)で書簡を郵送することや、手渡し時に雇用者から書面へのサインを得ることを奨励。サラリーマンに限らず、フリーランサー、開業医、医療助手なども、少々の違いを含みながらもこの法に当てはまる。そして個々が1日の手当の見積もりを健康保険のサイトで調べることができる。

 



ちなみに母親の育児休暇は一人目と二人目が16週間、三人目からは26週間。
出産休暇が一人目と二人目が10週間、三人目からは18週間。妊娠休暇が一人目と二人目6週間、三人目が8週間。
この長く思われる女性の出産育児休暇の後の職場復帰が、案外スムーズにいっている話を周りから耳にするのは嬉しい。それが当たり前の権利であり、人間としてお互い様であることを、人々は意識知らずとも知っているのだ。
とはいえこの休暇が始まる前は、仕事のオフ期間がこんなに長いなんて…と、心配になったりもする。しかし振り返るとあっという間に過ぎているもの。しかもその後の子供たちとの山あり谷ありの人生に比べれば、なんて心地よい凪のような、新米パパとママンへのギフト休暇だ。(ア)

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