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パリ最新情報「コロナ感染ルートを探る、ディスコテストを実施!」 Posted on 2021/06/24 Design Stories
レストラン·カフェの店内営業が再開、屋外でのマスク着用義務も無くなり、夏本番、以前の生活に戻りつつあるフランス。しかし、まだディスコテックだけは営業再開の許可が出ていなかった。そのディスコテックが、7月9日、15ヶ月間の閉鎖を乗り越え、再開されること(条件付き)になった。
そして、その再開を目前に、6月24日(土)、パリ市コシャン病院の医師が代表となり今週末、「ディスコ感染テスト」を実施することを発表した。内容は、ワクチン接種者の中から4400人の参加者を募り、抽選を行い、半分は自宅待機、半分はディスコナイトに参加する。このテストは、ITOC : Indoor clubbing Transmission Of COVID-19 (nom de l’étude scientifique promue par l’ANRS)と名付けられ、テストに参加したい人はhttps://revienslanuit.org/にアクセスし、登録を行う。ディスコナイトに参加する人に対しては、入場制限やソーシャルディスタンスなど一斉の規制を行わない。
参加基準はイル·ド·フランス在住の18歳から49歳までの成人で、イベント日にワクチンの接種を全て終えていること。
(Pfizer BioNTech / AstraZeneca / Moderna:2回投与+14日間、Janssen:1回投与+4週間、すでに新型コロナ抗体反応陽性、またはコロナ感染が確認された既往歴のある人に関してはワクチン1回の投与+14日間)
参加できない条件も細かく決められており、15日以内に呼吸器系の感染症の症状(発熱、咳、鼻水、嗅覚障害など)があった人、新型コロナ重症化の危険因子を持つ人、糖尿病、肥満(BMI>30kg/m2)、活動中の癌または2年未満の癌、慢性気管支炎と呼吸不全、心不全、合併症性高血圧症、先天性または後天性の免疫不全、新型コロナ重症化の危険因子を持つ人と同居している人、後見人や管財人になっている人、妊娠中の女性または有効な避妊手段を持たない女性は、口頭での申告により裁判所の保護下にある人、など。
かなり厳格にセレクションされ、当選者は当日にもチェックが行われる。
このテストは、7月9日を目前に政府の承認が通り、23日から募集が始まった。募集期間が数日しかなく、この短期間で十分な参加者を集めることができるかどうかはある種、挑戦だが、医師や科学者たちは、人々が以前の生活に戻りたいという思いは強く、集まるだろう、とポジティブな姿勢である。
これまで、マスク着用+ソーシャルディスタンスの野外コンサートテストなどが行われてきたが、今回のテストは、締め切った空間で、暑く、湿気も多く、マスク着用もなし。いわゆる、以前の「ダンスフロアー」の環境そのままで行うところが大きな違いなのである。コロナ禍では、聞くだけでアウトな環境である。
このテストでは、ディスコに行ったグループと行かなかったグループで7日後に唾液を採取して比較。その日の夜の行動を事細かく質問し、他の状況でも応用できる情報を得られることを目的としている。専門家たちは、人々の行動を覗き見したりするわけではなく、コロナの感染に関し、理解を深めるためのものであり、もし、感染者がでた場合、ある行動が他の行動より感染とより深く関連しているかどうかなど、クリアにしていくのに役立つとしている。危険で、無謀な計画である気もするが、ワクチン接種者のみの参加なので、このテスト結果によって、ワクチン接種=以前の生活という神話が本当なのかどうか、ということ、ワクチンの有効性もよりわかってくるのではないだろうか。