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パリ最新情報「ルーヴル美術館に初の女性館長!で、変わること」 Posted on 2021/05/27 Design Stories
「文化大臣から受けた一報を忘れることはない」と、語ったのは今年9月1日からルーヴル美術館館長に就任することが決定したローランス・デカール氏(現オルセー美術館館長)。
France Interのインタビューで、「私を信頼してくれた文化大臣と大統領に心から感謝する」と続けた。
2001年から13年までルーブル美術館の館長を務めたアンリ・ロワレット氏は、「彼女にとっても、美術館にとっても素晴らしい決定だ」と祝福した。
ルーヴル美術館といえば、2018年は1,020万人、2019年に960万人と、世界で最も多い来館者数を誇る美術館であるが、2020年はコロナの影響でその数は270万人にとどまった。2021年も、2020年10月末から半年にわたる閉鎖を強いられ(5月19日より再開)ていたため、この苦境を乗り越え、徐々に来館者を取り戻していくタイミングでの館長バトンタッチとなる。
現在、美術館の入館に健康パスポート(ワクチン証明もしくはコロナ陰性証明)の提示は求められないものの、日にちと時間帯の予約が必須(26歳以下や障害者など無料の人も予約は必要)となっている。
1日の人数制限(以前の約3分の1)やマスク着用義務などいろいろな制約はあるが、再開初日からたくさんの人で賑わい、人々は美術館を見学できる喜びを噛み締めた。来館者が少ないため、ゆっくり美術鑑賞ができるのは今ならではの魅力でもある。
9月より新館長となるデカール氏は、ルーヴルは過去のことを学びながら現代人に新しい世界や物ごとを届けることができる美術館だと説明。
「ルーヴル美術館は若者に向けたたくさんのメッセージを持っている。そのメッセージを届けることを使命として館長を務めたい」と語り、若者がよりアクセスしやすくなるよう、開館時間を長くすることなども視野に入れていることを発表した。
ルーヴル美術館の目玉であるレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」については、その状態を考え、今後、世界に貸し出しは行わない方針であることを明かし、世界のどの美術館にも、いつ、誰が、どのタイミングで訪れても、その美術館を代表する作品が鑑賞できるということは、旅の醍醐味となると語った。
パリに観光客が戻り、「モナ・リザ」の前に人だかりができる日が待ち遠しい。