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パリ最新情報「マッチングアプリで全年代の国民に。ワクチン接種スピードアップ」 Posted on 2021/05/13 Design Stories  

日本のワクチン接種が医療従事者、高齢者から始まり、5月17日から、東京と大阪で65歳以上の人に対し大規模接種会場での接種予約が開始されるらしい(1日1万5千人接種目標)。4月末に地域によって65歳以上の人たちに対するワクチン予約が開始寸前で中断になったり、病院に並んで予約を取る方法だった為に高齢者もなかなかワクチンの予約が取れず混乱していたようだが、フランスも今年1月に接種が始まってから、接種のスピードが本格的に進むようになるまで数ヶ月かかった。ワクチンが確保され、接種の環境が整い、軌道に乗れば、日本もここから一気にワクチン接種が拡大されるだろう。チケットぴあが参戦してワクチンのネット予約を充実させることも力強い。



フランスは5月12日(水)より、18歳以上、全ての国民にワクチン接種の予約を可能にした。5月10日より50歳以上全ての人へのワクチン予約が可能になったところだったが、その2日後から、『余ったワクチンを当日、翌日の予約枠があれば18歳から49歳までの優先でない人も予約できる』事になったのである。アプリを活用し、ワクチンをいち早く接種したいと願う若い世代とキャンセルなどで残ったワクチンをマッチングさせ、よりワクチン接種の効率をあげる作戦となる。時間ができた時、アプリを覗き、空きがあればすぐにワクチンを打ちにいけるという手軽さは、ありがたい。

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カステックス首相の発表では、木曜日から始まる4連休明けには国民の2千万人(現在約1千8百万人)が1回目の接種を終えることを目標にしているという。5日で2百万人、1日に約4万人がワクチンを接種する計算となる。(実際は、地方では連休中の人員確保が難しい場所もあり、連休中に一気に拡大という政府の思い通りにも行かないようだ。現在(13日)、パリ市も当日、翌日の空きは見当たらない)

パリ最新情報「マッチングアプリで全年代の国民に。ワクチン接種スピードアップ」

<「現在、予約の空きはありませんが、随時更新されています。また、別の会場では予約可能な場合もあります」というメッセージ>



予約アプリは細かくカテゴリー分けされており、現在、以下の通り10のカテゴリーが用意され、ワクチンの種類も書かれている。

・55歳以上(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジャンセン)
・50歳以上(ファイザー、モデルナ)
・18歳から49歳の基礎疾患がある人(ファイザー、モデルナ)
・18歳以上で今日、もしくは明日接種できる人(ファイザー、モデルナ)
・16歳と17歳の基礎疾患がある人(ファイザー)
・妊婦(中期以降)(ファイザー、モデルナ)
・55歳以上のワクチン優先接種職業種に就く者(教員など)(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジャンセン)
・55歳以上の医療従事者(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジャンセン)
・54歳以下の医療従事者(ファイザー、モデルナ)
・6月20日と27日に行われる地方選挙の際の会場スタッフ(ファイザー、モデルナ)

自分に当てはまるところにチェックすると、接種可能な会場が表示され、空きがあれば予約に進むという手順である。会場によって接種するワクチンの種類が違い、それも予め書かれているため、ワクチンの選択肢がある場合は種類を選ぶこともできる。

フランスは夏が終わるまでに国民の60%のワクチン接種で集団免疫を作り、9月から普通の生活を目指している。もともと、接種センターの終了時間間際になると余ったワクチンを求めて並ぶ人も居たようなので、このマッチングシステムがワクチン接種のスピードを確実に上げていくだろう。もちろん、コロナがゼロになるわけでもないし、それまでにまた新たな変異株が出現し、新たに世界を貶める可能性もゼロではない。しかしながら、今私たちにできることはこのワクチン接種しかないのである。

パリ最新情報「マッチングアプリで全年代の国民に。ワクチン接種スピードアップ」

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