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パリ最新情報「学校にPCR検査トラックがやってきた」 Posted on 2021/03/27 Design Stories
地域別ロックダウンに入って1週間のフランスだが、1日の新規感染者が4万人を超え、医療現場の逼迫は悪化する一方。医師たちはこの現状を毎日メディアで強く訴えている。ロックダウンの効果が出るのに2週間はかかるので、あと1週間はこの状況が良くなることはないだろう。それに加え、今回のような緩いロックダウンではその効果が目に見えるのにより一層の時間がかかりそうだ。マクロン大統領は近々新しい措置を加えることも匂わせており、まだまだ先は見えない。
フランスは学校を閉めない、教育を止めないという強いポリシーのもと、1回目のロックダウン以降、学校だけは閉鎖せずやってきた。しかし、ここにきて変異株の浸透で若者、子供たちの感染が急激に増えている。3回目のロックダウンが始まってから、高校は2グループに分かれ、給食は停止、家と学校、半々で授業を進めている。中学校以下の子供たちは毎日登校しているが、学校での感染も増えているようで、学校にて大々的な抗原検査やPCR検査の実施が始まっている。
まず、テストの前日、保護者にPCR検査の同意書が求められ、同意を得た生徒がクラス別に検査を行う。ウイルスの絵が描かれたトラックが学校にやってきて、入るとそこは検査会場。手前に待合室があり、奥が検査室となっている。
3人の看護師で手分けし、順番にPCR検査をしていく。そして、24時間後、生徒各自のスマートフォンで結果を受け取る。
これまでフランスでは、従来株であればクラスに3人陽性が出たら学級閉鎖、変異株の場合は1人出たら学級閉鎖と決められていたが、昨日(3月27日)の発表で現在ロックダウンの19地域は従来株、変異株にかかわらず陽性者が1人出れば学級閉鎖(期間は1週間から10日と言われている)となった。
公立学校では定期的にテスト(小学校は抗原検査)を行い、いち早く感染者を割り出し、陽性者が1人でもでたらクラス全体で隔離をするのである。
「今すぐ学校を閉めるべきだ」という専門家の声が多く、4月の2週目から始まる春休みを前倒しで行うという噂も出ていたが、このようにクラスを閉めていけば学校全体を止めてしまうことはない。
フランスの、教育を続けながらのコロナ対策は続く。