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退屈日記「父ちゃんのつくレポ、ガトーショコラ編」 Posted on 2021/03/20 辻 仁成 作家 パリ

「つくレポ」というものがあることをこの年齢で知った。
あまりに安易な「作る+レポート」から出来た造語のようだが、面白いので、自分もやってみた。
先日、パリで話題沸騰中の「レトロワ・ショコラ」を率いるショコラティエの佐野恵美子さんが地球カレッジの講座で作ったガトーショコラがあまりにも、美味しそうだったからだ。
スタッフさんが配信後食べたのだが、半端なかったです、と連絡があったので、やってみたいと思っていた。
まずは、その時の完成品の写真をご覧頂きたい。わずか、数分(オーブンにいれても十数分)で出来てしまう超簡単で本当に美味しい、簡単ガトーショコラなのである。

退屈日記「父ちゃんのつくレポ、ガトーショコラ編」



美味そうである。実に美味そうだ、と思っていたら、一昨日、デザインストーリーズでもよくレシピを書いてくださるイタリア最南端のイスキア島でシェフをやっている八重樫さんから、「やってみました」という写真が送られてきた。おおお、八重樫シェフ、観てくれていたんだ、しかも、素晴らしい。さすが、プロだ!

退屈日記「父ちゃんのつくレポ、ガトーショコラ編」



これを見たら、ますますやらないわけにはいかなくなった父ちゃん。
付録としてつけていたレシピをもとに、その日の作る工程を思い出しながら、やってみた。授業を配信したけど、配信しっぱなしじゃよくない。
それが再現できるのか、試さないわけにはいかない、と思ったからである。
ぼくも生徒になって真似してみるとこういう講座がどこまで再現性があるのか、分かる。
今、我が家のキッチンは隣の風呂場が漏電中なので、使えない電源などがあるが、オーブンは辛うじて使えるので、ちゃちゃっとやってみた。
今回、佐野さんらから提案されたガトーショコラは小麦粉を全く使わないもので、果たしてガトーショコラになるのか、心配だったが、作ってびっくり、これがしっとりととろけて出来て、目からウロコ、であった。
焼き時間もわずかに13分なのである。
佐野恵美子さんがオーナーチョコラティエールだけど、パティシエは木村翔君、という青森三沢出身のパティシエさんだ。
彼がレトロワ・ショコラのお菓子を開発しているようで、ここの「フォレ・ノワール」はまじ世界一だった。
ということで、前置きが長くなったが、ぼくが作った小麦粉を使わないガトーショコラをご覧頂きたい。じゃじゃじゃーーーーん!

退屈日記「父ちゃんのつくレポ、ガトーショコラ編」



これが、本当に美味しかった。甘いものには目がない父ちゃんが言うのだからマジ、本当に美味しいのである。
口の中で蕩けるのだけど、何が素晴らしいかって、本当に簡単なのだ。
え? つくレポってこれでいいの??? 
あはは、目で味わって頂きたい。また、秋くらいにお二人にご登場願いたいと思っている。ガトーショコラ、食べたくなりましたね?

退屈日記「父ちゃんのつくレポ、ガトーショコラ編」

※これがパリで一番おいしいと父ちゃんが思うレトロワ・ショコラの「フォレ・ノワール」

退屈日記「父ちゃんのつくレポ、ガトーショコラ編」



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