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パリ最新情報「レストラン長期間閉鎖により、スーパーのお弁当コーナーが大充実」 Posted on 2021/03/18 Design Stories  

突然のレストラン営業停止令が出てから1年が経った。
前触れなく、20時に行われた首相の発表で前代未聞のレストラン営業停止が発表され、人々は軽くパニック状態になり、その直後、スーパーには食品を買い求める人々の行列ができた。
5月に1回目のロックダウンが解除され、数ヶ月間はレストランの営業が再開されたが、10月末から2回目のロックダウンが始まり、再びレストランは営業できなくなった。それから今日(3月18日)までレストランの閉鎖は続いている。再開の目処がたつどころか、フランスは3回目のロックダウン目前という状況下にある。
その中で、目を見張るのは、スーパーのお弁当コーナーの充実である。

とにかく、どこのスーパーもBENTOボックスの充実ぶりが凄まじい。ちなみに、BENTOとは弁当のことだが、コロナ禍のせいで、フランス語として定着した。
日本でもおなじみのカルフール・スーパーのお弁当コーナーをちょっと紹介したい。取材したカルフール店にはお弁当コーナーが4か所もあった。
1, 欧米人向けのお弁当コーナー
2, 和食っぽいアジア系の弁当コーナー
3, オリエント・インド方面の方々向けのお弁当コーナー
4, お急ぎの方のコーナー



いわゆるこれがフランス人向けのお弁当で、中身はパスタとかチキンとかフレンチ&イタリアンな世界である。小さなパンと小さなデザートがついている。

パリ最新情報「レストラン長期間閉鎖により、スーパーのお弁当コーナーが大充実」

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アジア系弁当コーナーにはおにぎりがずらりと並んでいるが、一つ、3€40もする。(日本円で500円弱)日本人的な感覚からすると高い!! しかも、謎な名前のおにぎりがある。「そばサーモン」と書いてる。驚いて仏語を読むと、「サーモン・クリームチーズ」なのである。どうやったらこういう間違いになるのか謎だが…。日本にも変な英語や仏語の看板があるので、一緒なのである。

パリ最新情報「レストラン長期間閉鎖により、スーパーのお弁当コーナーが大充実」

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イスラム系や東南アジア系、インド系のお弁当だけを売ってるコーナーが出来ていた。しかも食材に気を付けた、健康系である。

パリ最新情報「レストラン長期間閉鎖により、スーパーのお弁当コーナーが大充実」

急ぐ人のためのサラダとか、パスタボックスのような弁当を扱うコーナーもあった。冷たいお惣菜が中心で、そのまま温めずに食べることが出来る。

パリ最新情報「レストラン長期間閉鎖により、スーパーのお弁当コーナーが大充実」



1回目のロックダウンでは学校、仕事も中断、テイクアウトに対応しているレストランは少なく、これまで料理をしていた人も、したことのなかった人も、誰もがごはんを作らなければならなくなった。
初めてのロックダウン、誰もが日々のご飯作りに力を入れるようになった。
生鮮食品が不足することはなかったが、小麦粉やドライイーストが売り切れるという現象が起きた。時間のあり余る人々は、普段作らないパンやお菓子まで作るようになっていたのだ。SNS上にはそれぞれの自信の一品が次々と並んでいった。



しかし、2回目のロックダウン以降、人々のごはん作りに対するモチベーションは一気に下がった。
去年の3月から毎日毎食ご飯を作り、片付けを繰り返す生活にほとほと疲れ始めたのである。
自分の味に飽きた! 
美味しいものが食べたい! 
片付けしたくない! 
と、レストランのありがたさ、必要性が浮き彫りになってきたのだ。



レストラン側もロックダウンが2回目ということで、テイクアウト販売を始める店が急増した。補償とは別に、テイクアウト料理を出すことを政府が認めたことにも一因がある。
お店とお客さんのニーズが合い、2回目のロックダウンはSNS上に「どこどこのテイクアウト」の投稿が溢れた。
ラーメン屋が持ち帰りラーメンを販売したり、フレンチレストランが和食弁当を販売したり、星付きレストランがストリートフードを作ったり、普段だったら味わえないようなものが並び、しかも好評を得た。
レストランの開店はまだまだ先になりそうなので、BENTOボックスを出す店が増えそうだ。自宅でのご飯作りにあきた人々に間違いなく受けることになるだろう。
レストランが再開したらいち早くレストランを予約してゆっくり食事をしたい。(み)

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