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パリ最新情報「ついにコロナ自己検査キットがフランスでもスタート!」 Posted on 2021/03/17 Design Stories
フランス高等保健機構は、コロナ自己検査キットの販売にゴーサインをだし、早くも今週からフランスで販売が開始されることになった。
薬局やスーパーなどで購入できるようになるようで、家に準備して置くことができれば、今よりも素早くコロナ検査を行うことができる。
現在、フランスでは道を歩けばコロナ検査場があっちにもこっちにある、という状態ではあるが、人々がどのタイミングで検査をしているのかはわからない。ちょっと具合が悪いから検査してみよう、という人もいれば、元気だけど念の為、検査をしてみよう、という人もいるだろう。
今、フランスで一番感染を広げているのは、「ちょっと調子が悪いな、という状態から検査をするまでの間」だという。人々は陽性結果を突きつけられるまで隔離しないため、その間に濃厚接触者を増やし、感染を広めているというのである。医師たちは、自宅でできる検査キットがあればもっと早く感染者を割り出すことができる、と兼ねてから政府に提案をしてきていた。
そして、今日、3月16日(火)、高等保健機構は、自己検査キットを認可し、使用条件を定めたのである。
では、どのようなテストなのだろうか?
まず、この自己検査キットは、抗原検査である。サンプリングの仕方は、綿棒に似たもので鼻の中の壁を擦り、それを検査溶液の中に入れるだけ。30分ほどで結果がでるという。検査結果の読み取り方はいくつかあるようで、妊娠検査薬のように検査溶液を垂らして結果を表示する方法や携帯電話のアプリを使って読み取る方法などがあるようだ。
フランスでは、抗原検査が認可されるためには、80%以上の感度が必要とされており、フランス高等保健機構が出したデータによると、症状のある患者では80~95%、無症状の人では50~60%の感度が報告されているようだ。同機構は「自己テストに適用できるが、実際の使用状況をしっかりフォローしていくことが重要である」と強調している。
しかし、自己検査キットの普及で浮上する問題は、追跡ができにくくなることである。自己検査をした人のどれだけが自分の陽性結果を国に報告し、濃厚接触者に警告をするかなど、アプリなどを活用させる必要がある。
気になる値段だが、フランス高等保健機構からの許可が下りたので、この自己検査キットは社会保障から100%払い戻しされる。現在、薬局や街角で行われているPCR検査や抗原検査と同じく、社会保障カードを提示すれば全て無料で受け取ることができる。スーパーなどで購入する場合は10ユーロ以内に落ち着くようだ。
この自己検査キットは、すでに、イギリス、ポルトガル、オーストリアで広く普及している。ちなみに、ドイツのスーパーでは現在1つ5ユーロで販売されているそうだ。
アストラゼネカ社のワクチン接種が中断されたり、自己検査キットの許可が下りたり、ロックダウンから1年経った今日、コロナ禍の世界は一進一退の日々が続いている。(み)