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パリ最新情報「フランス、再び、レッドゾーン増える。猛烈な赤信号点滅」 Posted on 2021/02/25 Design Stories
感染者数の横ばいが続いていたフランスだが、科学者、医師らの予測通り、ロックダウンに踏み切らなかった結果、昨日一日の感染者数は31519人に急増してしまった。(しかし、フランス全土の陽性率は5%前後)
しかも、従来株に対して変異株の占める割合が拮抗してきている。一番、心配されるのは、病院のICU占有率が70%に達してしまったことであろう。
フランス全土が現在レッドゾーンに覆われる最悪の状態になっており、バカンスの移動が大きな原因であることは否定できない。
移動を促せば感染が増えると医師、科学者が警告を繰り返しいたが、政府も、この冬休みを止めることが出来なかったことは長引くコロナ禍の中で、人々の心理的影響に動かされたこと、大統領選挙間近でのマクロン政権の支持率低落、右派国民戦線の急拡大もおそらく、理由の一部になっている、というメディア分析もあった。
しかし、現実の数字を前に、国民の多くがロックダウンを容認せざるを得ないという調査結果も出ていて、再び、厳しい措置が3月には待ち受けているものと思われる。それを証明するかのように、ニースでの部分的ロックダウン(週末ロックダウンという新しい制限)に続いて、昨日から北フランスの港湾都市、ダンケルクが同様の宣言下に置かれた。感染拡大が続く、ベルギーに隣接し、ダンケルクは英国にもっとも近い都市であり、地政学的な影響を受けているものと思われる。
フランスの専門家らは、この部分的ロックダウンについての議論が活発化している。
これまでフランスは全土でのロックダウンを実施してきたが、ニースやダンケルクのように、地域や都市ごとに部分的ロックダウンを行っていくべきじゃないか、という意見だ。
世界的に見ると、部分的ロックダウンが導入されている国は多い。
たとえば、パキスタンなどもこの部分的ロックダウンを実施している。
フランスがこれまで全土でのロックダウンにこだわったのは、結局、部分的ロックダウンを嫌った人々が違う場所に移動するのでは意味がない、また、商店・飲食業に営業出来る店と出来ない店が出ることで不満が噴出するのではないか、という警戒からであった。
けれども、コロナ感染拡大が変異株の出現で複雑化している今日、時代遅れの全土封鎖よりも、柔軟に経済対応しながらの部分的ロックダウン、週末だけのロックダウンという新たな手法が今後は増えていくものと予想される。
特に感染者が増えているパリ首都圏、(イル=ド=フランス地域圏; Île-de-France )でまもなく、何某かのロックダウンが行われる見込みが高くなってきた。
本日(2月25日)、18時からのジャン・カステックス首相の通常会見の中で、そこへの言及がなされる可能性がある。
ともかく、この週末ロックダウンという新手法が感染を抑止にどれほど有効なのか、国民は冷製に判断をしていくことになる。(中)
※追加情報、ダンケルクは住人十万人に対し900人の感染者数でニースより酷い状況。3月と11月の約2倍にあたる。
※追加情報2、病院は医療崩壊しつつ、2月初旬から入院患者の他都市移送が始まっている。
※新しい情報が出次第、加筆訂正を行います。