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パリ最新情報「パリで生まれたデュオ、ダフトパンクのエピローグ」 Posted on 2021/02/23 Design Stories
Epilogueというタイトルと« 1993-2021 »というメッセージが彼らの解散を伝えた。1993年に結成され、28年間世界の人々を踊らせてきたパリジャン・エレクトロデュオの突然の解散ニュースはフランス、いや、世界中にエレクトロショックを与えた。
実はダフトパンクがフランス人だと知らなかった人も多いのだが、「フレンチタッチ(フレンチハウス)」と呼ばれる彼らの音楽は、パリで生まれた。アメリカのダンスミュージックからの影響が強く、ダンス・ミュージックをテクノとハウスのリズムにはめこんだ独自なサウンドで、90年代、パリ・バスティーユ辺りのパーティーシーンで確立された。ロンドンがアシッドハウスにハマっていた頃、それに飽き始めたパリジャンたちが生み出したサウンドで、そこから生まれた代表的なアーティストであるダフトパンクはのちに世界の音楽シーンに刺激を与えることになる。
トマ・バンガルテールとギー=マニュエル・ドオメムクリスト、音楽における現代アーティストとも言われるこの二人の解散は誰もが想像していなかったことだった。
一本のビデオのみでグループの解散は発表されたが、解散理由は明らかにされていない。
ダフトパンクの二人は高校生からの友人で、「Darling」という名で活動をはじめ、その後「Daft Punk」として活躍した。Darling時代にイギリスのジャーナリストが彼らを「Daft Punky trash(腐った糞?)」と表現したことから「Daft Punk(ダフトパンク)」という名前が生まれたと言われている。
実は、ダフトパンクは1993年から28年の活動でたった4枚しかアルバムを出していない。しかし、彼らの曲のほとんどは世界的にヒットしているのだからすごい。2013年にファレル・ウィリアムスとコラボレーションしたGet Luckyの大ヒット、2014年の米グラミー賞最高賞受賞などは記憶に新しい。
二人は本名は明らかにしているものの、常にヘルメットを被り顔を公にせず、誰もその素顔を知らない「ミッキーマウス」の着ぐるみを着たディズニーランドの職員状態で世界中を沸かせてきた。彼らはさまざまなインタビューで「顔を出さないこと」について、プライベートと仕事を完全に区別することの他に、「舞台に上がった時、観客はアーティストに集中してしまいがちだが、ロボットならば何の感情も芽生えない。観客から送られるエネルギーをへルメットが跳ね返し、音楽を心から楽しむ時間を味わってもらいたい」と語っていた。
世界中のメディアが彼らの解散を大きく報道していることからも、彼らの音楽の存在の大きさが読み取れる。解散しても、ダフトパンクの音楽が世界のダンスシーンから消えることはないだろう。