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フランス最新情報「感染の歯止め効かず、南仏ニースが部分的ロックダウンに」 Posted on 2021/02/22 Design Stories  

晴天が続きすっかり春めいているフランス。冬休み中ということもあり、パリも、ノルマンディーも、南仏も、海外旅行ができないフランス人が国内バカンスを楽しんでいる。

しかし、12時の発表でニース周辺、アルプ・マルティーム県(テウル・シュール・メールからマントンまで)の部分的ロックダウンが発表された。
昨夜からバカンス真っ最中のニースがロックダウンに入るというニュース一色だったが、バカンス2週目に入ったタイミングで今後2週間の週末がロックダウンとなる。さらに、商店内に入れる人数は15m2に1人、5000m2以上の商店(食料品店、薬局を除く)が閉鎖となった。
アルプ・マルティーム県はフランスで初めて、地域別の部分的ロックダウンに踏み切った。ニースの海岸沿い、プロムナードデゾングレなどでビールを飲んだり、タバコを吸うためにマスクを外すことも禁止となる。全ての措置がより厳しくなると発表された。

フランス最新情報「感染の歯止め効かず、南仏ニースが部分的ロックダウンに」

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ニースは新型コロナの感染がフランス国内でもダントツの悪状況にある。住人10万人に対し600人の感染者、陽性率は9.5%、ICU占有率は99.1%、そして、感染者の50%が変異株による感染である。これらの数字は最大警戒基準値の約3倍にあたる。この状況を受け、20日にはオリヴィエ・ヴェラン保健相がニースを訪問していた。
これまで政府は地域別のロックダウンに前向きではなかったが、今回の判断に踏み切った。
厳しい措置を訴え続けてきたニース周辺の市長たちは「もう少し早く措置を取るべきだった」と口を揃えている。ニース市長はバカンス期間中のアパート短期貸し禁止などを提案していたが、これまで政府は措置を取らなかった。
昨日、ニース市長は「ニースは本来、観光客大歓迎の街だが、このままでは取り返しのつかない状況になりつつある。残念ながら、年末のバカンスでたくさんの観光客がニースに訪れた結果が今のこの大変厳しい状況にある。ニースを救うため、素早い措置が必要だ。もう待っている時間はない」と強く訴えていた。

記者会見で、ニースの医師はICU患者の平均年齢が60歳を切っていることなどを指摘し、緊張しなければいけないと訴えた。
2週末のロックダウンが効果的なのかという質問には、それだけではなく、ワクチン接種のスピードアップや商店などでの厳しい措置を組み合わせることで効果があると考えているとのことだった。
南仏が先陣を切ったこの部分的ロックダウンはイル・ド・フランス県(パリ周辺)やその他の感染が酷い地域でも今後適用される可能性が高い。
フランスは再び緊張が走っている。(上)

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