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ニューヨーク最新情報「この一年で世界が変わった。ニューヨーカーの新しい暮らしぶり」 Posted on 2021/02/01 Design Stories  

ニューヨーク市で新型コロナ感染者が最初に発見されたのが、昨年2月末、その後2週間で街はロックダウン。
映画館もブロードウェイのミュージカルもすべて中止となった。
ひと月後の4月初旬にはニューヨーク州で一日の新規感染者が一万件を超え、死者はニューヨーク市だけで一日800人を超える苦しい日々が続いた。
しかし、クオモ州知事のリーダーシップで、ニューヨークは政治に囚われず、科学と統計事実に基づいた判断を行うことに専念することが出来た。
米国他州の感染者が増え続ける中、夏には一日の死者数がひと桁代、ゼロの日も達成した。

ニューヨーク最新情報「この一年で世界が変わった。ニューヨーカーの新しい暮らしぶり」



コロナウイルスが流行する前、マスクという生活習慣がなかった米国で、アジア人がマスクを着用してニューヨークの街を歩けば、差別や暴行など受ける可能性があった。
むしろ、マスク着用が、危険を呼び込む可能性もあったのだ。
しかし、今ではマスク着用も状態化し、道端ではホームレスの方々もマスクをしてコロナ感染予防に努めている。
因みに米国では新型コロナは、COVID-19と呼ばれ、まるで人の名前のように呼ばれている。

昨年、トランプ前政権時代は、ご存じのように、前大統領が「COVID-19はそのうち消滅する」と発言したり、ホワイトハウスのイベントでマスク着用が義務付けされずクラスターが発生したりするような状況であった。
しかし、今年1月にバイデン新政権がスタートし、マスク着用義務付けや、就任100日以内に一億回分のワクチンを国内に供給する計画など、新型コロナ感染対策を優先とした政府の取り組みがはじまり、米国民の多くが安堵を覚えている。
ワクチンも一部優先者から接種が始まっている。



ところで、ここ一年でマンハッタンの街は一変した。
ブロードウェイ公演は中止のままだし、多くの企業が今でも在宅勤務のままであり、WFH(Work from Home)という略語が定着した。
マンハッタンで狭いアパートに高い家賃を払っていたニューヨーカー達が、郊外の広くて安い場所にどんどん移住していった。
米国人はもともと移民だからか、転居することにあまり抵抗感がないようだ。

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地球カレッジ

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また、米国のビジネスは環境に応じて素早く変化する。
ニューヨークでは、世界貿易センターが崩壊した9.11のテロ直後、その5日後には、路上に米国の国旗や、貿易センターと国旗をプリントし愛国心を高めるTシャツなどが売りだされた。
商売精神に富んだ人たちが大勢いる。
コロナ禍ではWFHとなって、自宅で参加出来るオンラインヨガクラスや、高価なフィットネスバイクはヒット商品となり、長時間自宅で働けるように色々な設備の整った高価なオフィス用の椅子や、机の高さを調整して立ったまま働くことが出来るWFH用の机などの広告がどんどんEメールで届くようになった。
朝起きて出勤なく即仕事を始められるので、パジャマや部屋着とエクササイズ用のTシャツやスウェットパンツなどの需要が高まり、カジュアルがファッションの中心になった。
とはいえ、カジュアルなのに、オシャレで価格もかなり高めが主流となった。

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マンハッタンの家賃は非常に高く、多くの小売店やレストランが店を閉めた。
ロックダウン時はレストランは、デリバリーか、持ち帰りのTo Goのみと制限されるが、スーパーなどの食料品店は常に需要があるので、店舗の一部を改装して、在庫のパスタやチーズ、自家製ソース、デザートを売るオシャレな食品店に改装された。
ロックダウン後一週間で転向したイタリアンレストランもあった。
ビジネスオーナーのフレキシブルな思考とサバイバル精神がビジネスの生き残りに繋がっている。

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自分流×帝京大学

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一方で、ニューヨーク州の厳しいコロナ感染対策方針に、ビジネスオーナー達は頭を悩ませている。
統計を基に感染度が一定値を超えた場合、レストラン室内での食事の客席数は制限される。
感染度が上がることが予想されたホリデイシーズン以降は、レストラン室内の食事は禁止され、屋外のみ食事が許可された。
マンハッタンでは、以前から歩道にアウトサイドカフェは認可されていて、夏は市民も季節を楽しんで外で食事をしていたが、このコロナ禍によって、車道にまでアウトサイドカフェとしてテーブルを出すことが許可された。
今まで駐車スペースだった道路の一部をテラス席にしてしまうのである。
マンハッタンでは、もともと、路上駐車するスペースが少なく、路上駐車は場所の取り合いとなっていた。
それがアウトサイドカフェの出現で、今では路上駐車はいっそう困難になってしまった。
また、この季節のニューヨーク市は零下になる日が続く。
ヨーロッパ諸国のように寒い屋外でコートを着て外でお茶を飲むなんて考えられなかったニューヨーカー達だが、今では分厚いコートと帽子、マスクを着用しながらアウトサイドカフェで食事をする姿が見られるようになった。
新しいニューヨークの風物詩になるのだろうか? 
バレンタインデーには屋内で食事が可能(ただし、座席占有率、25%のキャパで)となるが、恋を語りあう恋人達には屋外でも寒さはあまり関係ないのかもしれない。(梅)

New York City Data
https://www1.nyc.gov/site/doh/covid/covid-19-data-trends.page#epicurve

New York State Data
https://covid19tracker.health.ny.gov/views/NYS-COVID19-Tracker/NYSDOHCOVID-19Tracker-DailyTracker?%3Aembed=yes&%3Atoolbar=no&%3Atabs=n

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