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退屈日記「マクロン大統領のツイッターメッセージ動画から学ぶこと」 Posted on 2020/12/19 辻 仁成 作家 パリ

マクロン大統領がツイッターを更新した。
ぼくはそれを今朝、流れるタイムラインの中に見つけ、読んでみた。
覗くと、ベルサイユの私邸から、普段着で心配する国民に向けての3分程度の動画メッセージであった。
普段だったらテレビで生放送で演説をやるところだが、今はコロナ陽性患者なので、側近も近づけない。
自分の携帯で自撮りをしてツイッターに配信をしたのだろう。
この人は、どんな時でも、自分の言葉で国民に伝えようとしてくる。
ちょっと興味があったので、DSの翻訳部門(?)に依頼した約3分の短いメッセージ、ここに全文を掲載してみる。笑。
最後に、マクロン大統領のツイッターも埋め込んでおく。
どんな感じで国民に語り掛けているのか、雰囲気だけでもぜひ見て頂きたい。こういう風にこの人は語り掛けてくる。
そしてこれは、マクロン大統領がどんな人か知る手がかりにもなるし、世界中の指導者と比較するのも面白い。
ちなみに、昨日はトランプ大統領から、お見舞いの電話があったようだ。
そして、このメッセージを読んでとっても驚いたことがあった。
ぼくは昨日の日記で、「マクロンさんが一瞬気を緩めた。ウイルスは、その隙をついてきた。ぼくらの周りにはウイルスが存在する、警戒して」と書かせてもらった。
読んでくれた方にはわかると思うが、マクロン大統領が全く同じことをここで語っているのだ。
※退屈日記「気を引き締めるための年末年始コロナ打倒コロナ大作戦」を参照ください。

退屈日記「マクロン大統領のツイッターメッセージ動画から学ぶこと」



マクロン大統領の動画、全翻訳

『ボンジュール。今日は金曜日、皆さんにご報告したく・・・ご存知のように私は昨日の朝、コロナのテストをし、コロナ陽性反応が出ました。
初期症状が認められたので検査をし、陽性反応が出たのですぐに自主隔離をし、追跡アプリTousAntiCovidに申告し、エリゼ宮からも48時間以内に会った濃厚接触者全員に連絡をしました。たくさんの大臣に会いましたし、世界の首脳たちにも会いました、私を守るセキュリティーの人々や家族にも会いました。ですので、全ての濃厚接触者が、今、みんな自主隔離し、テストを行っています。これまで私に送ってくださった皆様からの支援、連帯するメッセージに感謝しています。私は元気です。私は昨日から同じ症状が続いています。発熱と倦怠感、頭痛、空咳という、何十万人もの方々が経験し、今も経験しているコロナの典型的な症状です。毎日、この病気、このウイルスの進展を観察していきます。悪化することはないと思いますが、医師に相談しながら、皆さんには随時報告していきたいと思います。日々の任務については、毎日首相や政府、スタッフと連携をとり、少しスピードは落ちてしまいますが、優先の案件にはいつものように目を通していくつもりです。(特に)このウイルスの件、その他のフランスの案件、それにBrexitの案件など(について)です。すべての国民にお願いしたいことがあります。続けてウイルスの警戒をしましょう。私は昨日陽性反応が出ました。これはウイルスが私たちの周りにいることを証明しています。なぜなら私はとても気をつけて、予防措置を怠らず、ディスタンス、マスクをつけて、消毒ジェルを使用し、そんな風に生活していたのにウイルスに侵入されてしまいました。おそらく、一瞬の気の緩み、一瞬の隙をつかれたのでしょう。もし自分がこれらの予防措置をとっていなかったら、もっと早く自分はコロナに罹っていたと思うし、多くの人に感染させていたに違いないのです。だから、この予防措置はまだまだ続けなければならないのです。とても面倒で、疲れることもあるでしょう。しかし、続けなければならない。昨日は私を含め、18000人以上のフランス人が陽性でした。ウイルスはまた感染力を増して広がっています。私たちは警戒し、より気をつけなければならない。この(年末年始の)パーティシーズン、すべての国民の皆さんが最大の警戒をして過ごしてほしいのです。皆さんを信じています。すべての人々が例外なくこのウイルスに狙われているのです。ワクチンはもうすぐ到着します。私たち政府は続けてそのオーガナイズをします。また近々皆さまにお会いしたいと思います。頑張ってください』



ツイッターに投稿されたベルサイユの私邸からの大統領動画はこちらから。

ウイルスは近くにいる。気を付けよう!

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