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パリ最新情報「パリでアジア人狩りが頻発、在仏日本人は最大限の注意を!」改訂版 Posted on 2020/11/06 Design Stories
DSパリ編集部にこの数日寄せられる情報に「日本人を含むアジア人への中傷のみならず暴行まで増えている」というものが目立つようになった。
ことの発端は、何者かがTwitterで「フランスにいるすべての黒人、アラブ系移民に、パリ郊外(91,92,93,94,95県)の道を歩く全ての中国人を襲うよう呼びかける(原文のまま)」とツイートしたことである。現在は通報され、そのアカウントごと削除されている。
男性には暴力を、女性には性的虐待をという内容のものあったようで、非常に恐ろしい。
3月、4月のコロナ第一波の時も、「アジア人はパリから立ち去れ」「コロナの責任をとれ」と、スーパーや交通機関の中などで罵られる事件が増えていたのだが、ここへ来て、攻撃を促す発言がSNS上で発信され、フランス当局は捜査に乗り出した。
しかし、フランスにおけるアジア人差別は昨日今日始まったわけではない。2016年にはパリ郊外で中国人男性が強盗犯に殴られ死亡するという事件があり、2019年にもアジア人を狙った暴力と強盗(中華レストランから出てきた中国人の後を家まで追い襲うというもの)が一時的に流行した。
2019年の事件時に逮捕された当時18歳から21歳の6人は禁固2年から7年の刑が確定している。
今回のこのアジア人狙いを受け、中国コミュニティーは全ての中国人に警戒を促している。
フランスは様々な人種、民族が混在する共和国なので、とくに抑圧された人たちの中の若い世代がこの暴力喚起に呼応しているようだ…。
また、彼らにアジア人の区別などつかないので、中国人、日本人、韓国人、ベトナム人・・・、アジア人全体が狙われていると思っておいた方が良いだろう。
新型コロナ蔓延とロックダウンをしなければならないのは中国に責任があるという・・・非常に幼稚な思考ではあるが、ここパリ近郊では日頃の憂さを晴らすための標的がアジア人に向けられている状況は否めない。
中にはこのような凄まじい経験をされた人もいる。
「92県に住む者ですが、スーパーから出たところ、複数の若者が追いかけてきて、お前らのせいで世界はこんなになった、と言われいきなり罵られました。私は日本人で、このコロナの犠牲者だ、と説明したのだけど、若い子たちは、全部一緒だ、お前らのせいだ、と訊きませんでした。スーパーに走って逃げて、難を逃れましたが、彼らはロックダウンの不満、自分たちが背負った未来の不安、をアジア人に向けているのは間違いありません。みなさん、気を付けて!」
コロナに加え、テロの脅威が半端なく増している。
欧州全体が再びロックダウンされ始めたことで、人々の苛立ちも頂点に達しつつあるのが実情で、欧州はどこももはや安全とは言えない状況になった。
とくにこのようなアジア人狩りが行われているのはパリ市郊外で、もはや何かが壊れ始めているという危機感で対応しておくしかない。とくに、学生たちはロックダウン中でも学校に通わないとならない、その通学路で狙われる可能性がでてきた。家族で話し合い、不安であれば学校にも相談をし、出来る限り安全な行動をとる必要がある。不安定な中だけど、在仏日本人、在欧日本人は結束をして、乗り切りましょう。
「ぼくは両親に家を出る時は気をつけてと言わなければならない。コロナではなく、中国人を狙う人種差別者たちのためにだ。母は二年前、すでに近所にある階段で襲われたことがある。もううんざりだ」(KAIJUさんのツイッターより)