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パリ最新情報「衝撃、パリの門限が20時になる可能性が出てきた!?」 Posted on 2020/10/14 Design Stories
今夜(日本時間15日の早朝)、予定されているマクロン大統領のテレビ演説を前に、おそらく取り入れられるだろう夜間外出禁止令、いわゆる、「門限」についての報道がヒートしている。
フランス語で「Couvre-feu(クーヴル・フー)」と呼ばれるこの法令は、中世のころ、陽が落ちて、火事を起こさないように家の火を鋳鉄の蓋で覆う時間ですよ、という意味で生まれた言葉なのだそうだ。
一定時間の外出禁止(一般的に夜間の外出)を意味する言葉として一般的になったのは第二次世界大戦中、フランスがドイツ国防軍の占領下だった頃で、パリでは午前0時から朝の6時までの間、このクーブル・フー(夜間外出禁止令)が施行されていた。
私たちはこの言葉をロックダウン中に何度も耳にしてきた。
フランスでも実際に感染が酷かった地域ではこの法令が適用されたが、結局、パリではロックダウン中にこの夜間外出禁止令を取り入れることはなかった。
しかし、フランス海外県であるギアナではこのクーブル・フーが7月より取り入れられており、その内容は非常に厳しいものだった。
7月の時点では、平日の17時から翌朝の5時まで、週末は土曜日の13時から月曜日の5時まで外出が禁止されていた。
感染が落ち着いてきたため解除された地域もあるが、現在も0時から5時までは外出禁止という地域が残っている。
その間、ロックダウンと同じく警察のコントロールがあり、違反者は罰金。
しかし、そのおかげでギアナは感染拡大を抑えることが出来た。この門限の制限が効果絶大であることはギアナで実証されている。
しかし、この20時以降の夜間外出禁止は、実際、ロックダウンよりもある意味さらに厳しい措置ではないか。
というのは、医者などに行く以外、誰一人外に出られなくなり、もちろん、夜は完全な封鎖状態となる。
レストランの営業が出来ないどころか、人の移動も許されない。
ロックダウンの時は証明書があれば最低一時間は外を歩けたので、20時以降、朝まで人間が排除されるこの外出禁止措置は、施行されるとしたら大きな衝撃を伴う。
新型コロナ第二波に襲われているヨーロッパ諸国は、次々とこの夜間外出禁止令を出し始めており、お隣のベルギーでは今夜0時(10月14日)から2週間、夜間外出禁止となる。
その内容は、止むを得ない夜間の仕事、医療、近親者の介護などを除いて午前1時から6時までの外出を禁止。
国によって少しずつ内容や時間帯が違うが、今のところ、ドイツやイギリスでは外出禁止ではないが、22時(ドイツは23時)から6時まで全ての店舗、飲食店の営業が禁止されている。
さて、では、感染拡大の止まらないフランス、パリとその他の都市はどうなるのだろうか。
先週末、一日の感染者数が3万人に迫ったフランス、週明けの月曜日は8500人に、今日は13000人まで感染者数を下げてきた。ここで一気に抑え込みたい。
つい昨日までは他国と並び、「22時、もしくは23時から翌朝6時までの外出禁止令」という噂が流れていたが、今日になり、「20時から」という線が色濃くなってきたと報道され始めた。
感染の状況から、政府内では夜の外出を完全に禁止してしまわないと拡大を抑えきれないという意見が多く出ているようだ。
22時、23時であれば、レストランもギリギリ一回転はできるという時間帯だが、20時となると、遅くても19時には店を閉めなければならない。
そうすれば、実質、夜間ロックダウンが始まることになり、企業への影響は少ないかも知れないが、飲食業にはかなりの衝撃を与えることになるだろう。
レストラン経営者がテレビに出演し、コロナ禍で自分のレストランを開けるためにどれだけ気を使い、政府の指示に従って右往左往させられているかと訴えていた。
フランスの新たな決断は今夜(10月14日)の夜、20時からのマクロン大統領テレビ演説で発表される。