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パリ最新情報「新規感染者数5000人、でも新規入院者数5人という不思議」 Posted on 2020/09/01 Design Stories  

9月初日のパリは快晴だ。窓の下、歩道を歩く大勢の子供たちが見える。大人はテレワークが推奨されているので、子供たちばかりが歩いている。フランスの教育相ブランキエ氏は、感染者が増えている状況だが、これ以上教育を遅らせるわけにはいかない、と強い姿勢を打ち出し、このような感染拡大状況下でも予定通り、学校が再開された。

パリ最新情報「新規感染者数5000人、でも新規入院者数5人という不思議」



感染者数は3千人、4千人、5千人、7千人と日々、増加していたが、昨日は日曜日だったからか5413人まで下がった。こういう恐ろしい数字を並べると再びあの3月のロックダウンのことが脳裏をよぎる。フランスは人口が日本の半分程度の国なので、物凄い数の感染者数である。しかし、驚くべきことに、昨日のコロナ入院者数は全土で5人なのだ。陽性率は4,2%である。昨日、集中治療室に入った人の数は7人で、現在フランス全土で集中治療室にいる患者数は400人程度、少しずつ減っている。昨日の死者は29人だった。29人でもすごい数字だけど、3月、4月のあの猛威の中では1000人近くが亡くなっていたので、様相が違う。何が起こっているのか、まだ分析は出来ないけれど、感染力は物凄く強いものが出回っているけど、致死率はぐんと弱くなったのかな、という印象を受ける。



PCR検査が一週間で100万テストに増えるというので、国民全員をテストし、次々に見つけ出して潰そうという姿勢なので、感染者が増えているのは一つの増加の要因だと思われる。入院患者が0であるのと、集中治療室の患者数は増えていないか、下がっている状況なので、コロナの質が変異したのに違いない。ただ、科学者たちの中には11月に第二波が来るという恐ろしい意見もある。つまり、3月、4月並みの死者が出る可能性がある、という警告で、コロナが冬の到来と同時に強毒化するのじゃないかと想像されている。

フランスのバス停に小さな変化があった。パリ市内のほぼ主要のバス停にかなりしっかりとした消毒ジェルの装置が設置されたのだ。もう、コロナ対策が風景の中に焼き付いたことを悟らされた。去年とは違うんだ、と改めて思わされた。

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9月になり、パリはぐんと秋めいてきた。外に出る時は結構な厚着をしないとならない。寝る時も長袖とズボンのパジャマを冬物になった。フランス政府はこれからやって来ると言われる第二波に備えないとならない。パリ市は屋外でもマスクが義務化され、これはだいたい守られているが、やはり一部の若者が法令を守っていない。この感染を食い止めるにはもっと強い措置が必要だ、という意見が連日テレビから飛び出してくる。冬が来る前に、政府が振り下ろす大鉈が何かを、ある市民は期待し、ある市民は戦々恐々としている。

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