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パリ最新情報「感染再拡大のフランス、でも新学期は予定通り」 Posted on 2020/08/21 Design Stories
今日、8月20日の時点でフランスの感染者は上昇を続けており、新規感染者は3776人となった。陽性率は3.3%である。100人検査すると3.3人陽性者がいるということになる。それおよりも深刻なのは隣国スペインで、昨日一日の新規感染者が7039人。1週間の死者は122人となった。現在、ヨーロッパ内の移動が可能なのでスペインでバカンスを過ごしている欧州人も多い。フランス政府は「バカンスから帰ったらまずPCR検査」と国民に呼びかけている。
フランスのブランキエ教育相は、新学期を予定通り9月1日に行うことを決定した。教育関係者の中からは新学期を1週間遅らせてほしいという要望もあったが、教育相は譲らなかった。
「現在、教育は最優先される課題であり、フランスは今、教育を減らす時期ではなく、これまで以上により教育が必要な時期である。科学者の意見を聞き、7月半ばの時点であらゆる状況(感染が再拡大した場合も)の想定と対応策ができているので、子供たちの健康を守ることを第一に、学校に戻す準備はできている」
3月14日からコロナの影響で休校措置がとられた。ロックダウン解除後も、部分的な開校はあったものの、それも短い期間で、これまでのロスを埋めるものにはならなかった。バカロレアの試験もなくなり、大学進学はこれまでの授業成績で判断されるという異例中の異例な状態となった。しかし、教育の遅れは深刻な問題も国に投げかける。そこで、ブランキエ教育相は、科学的見地からも判断をし、新学期は予定通り行うとした。新学期から、中学生以上の子供は校内、自分の席以外でのマスク着用が義務となる。
また、小児科医師団体は小さい子供たちにインフルエンザや胃腸炎(例えば、とても感染率の高いロタウイルスなど)のワクチン推奨を始めた。それはこれからの季節、子供の間で流行るインフルエンザや胃腸炎での発熱がPCR検査へ与える影響を考慮するためにも、また救急病院に来る子供の人数を減らし、医師たちがなるべく大人の治療に集中できるようにしたいという理由からも、必要と判断をした。新学期と同時に、インフルエンザなどのワクチン接種が始まる模様である。寒くなる時期の再拡大を前に、教育現場での新たな戦いが始まろうとしている。