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パリ最新情報「日仏、コロナ第二波の共通点と相違点」 Posted on 2020/07/28 Design Stories
第二波が来つつある日本とフランスですが、これは世界的にも言えることかもしれませんが、20代、30代の若者の感染者が多いのが目立っています。ロックダウンの後、フランスも若年層に感染者が広がりを見せました。理由は二ヶ月に及ぶ外出制限のせいで、解除後、これまでにないくらい、若い世代が弾けてしまったことが挙げられます。昨夜のBFMTVなどでも、マレ地区やサンマルタン運河沿いの人気の地域で若者たちが集合し、大きな音楽をかけて踊り騒ぐ光景が放映されいました。このような状態がロックダウン解除後、パリ市内そこかしこで、散見されています。その結果、当然のことながら、感染が拡大し、ロックダウン解除時期には激減していた感染者数が急増。先々週までフランス全土で500人程度だった感染者数が、先週あたりから千人を超えています。実効再生産数も危険水域の1を超えたので、マクロン政権は公共施設のでマスク着用を義務化しました。(現在、フランスと日本の実効再選算数はほぼ同じ)
その後、若者たちが家にウイルスを運び、40代、50代の世代がここ最近では増えています。この傾向は日本と非常によく似ています。では、どのようにこれに対処していくのか、昨夜、有識者による討論会が行われました。その中の一人が語った意見に多くの大人たちが賛同する一幕が印象的でした。
「この若い連中を止めることはできない。若者は仲間と集まり、恋をし、青春を謳歌する生き物なのだ。過酷なロックダウンを2ヶ月も経験させたので、これ以上、法律で家に閉じ込めるのは可哀想だし、たぶん、それは不可能というものだ。ならば、そういうものだと理解した上で、大人たちは感染しないように、対策を練っていくしかない。自分の子供たちであろうと、無症状感染者である可能性があるので、家庭内であっても、重症化する恐れのある世代の大人たちは極力マスクなどをして接するか、もう暫く接しないか、選択する必要がある」
フランスでは第二波は避けられないというのが現在のもっぱらの意見となっています。政府はコロナウイルスを抑え込む政策を出していますが、日本との相違点は、PCR検査の数でしょう。人口が日本の約半分のフランスですが、PCR検査は一週間で70万件行われています。しかも、ここ最近では、セーヌ川河畔のケと呼ばれる遊歩道などでも無料の検査所が出来、散歩をしながら、抗体検査、PCR検査を受けられるようになりました。日本の検査数と感染者の数から割り出す陽性率が物凄く高いことが気がかりです。もしも、PCR検査をフランス並みに増やし、一週間で140万件のテストを行った場合、とうぜん、感染者数、陽性率はあがることが予想されます。しかし、EU各国政府はPCR検査を増やして実態を掴んでいくことが第二波に備える一番重要事項である、と考えているのです。