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家庭フレンチの定番を「フランス人の好きな料理ナンバー1、ブランケット・ド・ヴォー」 Posted on 2020/06/17 セギュール ちえみ(DS編集部) 料理好き パリ
「ブランケット・ド・ヴォー」とは、仔牛肉(ヴォー)の煮込みのこと。見た目はクリームシチューのようなものですが、実は生クリームなどは使っておらず、煮汁に卵黄を加え、小麦粉とバターで白く仕上げる意外にあっさりした料理なのです。春先のレストランに”本日のおすすめ”として登場していたら、ぜひ一度味わってみてください。じっくり煮込まれたホロホロの仔牛肉と野菜を付け合わせのバターライスに絡ませていただきます。
家庭料理の定番中の定番であるブランケットですが、18世紀ころにはすでに存在していたようで、もともとは仔牛のローストの残り肉で作られていたそう。ブランケットという名の由来は、ソースやお肉の色である「白」という意味のブラン、ブランシュからきており、仔牛だけでなく、鶏肉や魚のブランケットなどもあります。古くからフランスで愛され、そのレシピが語り継がれてきた料理で、フランス人の好きな料理ナンバー1とも言われています。
自分で作るときのポイントは、とにかく時間をかけること。じっくり煮込めば煮込むほどお肉は柔らかくなりますし、ブイヨンも美味しくなります。塩を加えた水で、にんじんと玉ねぎ(丁字を刺す)、ブーケ・ガルニを入れて仔牛肉を煮込み、お肉がホロホロになったら一度具を全部出してソースを仕上げます。ここで卵黄、小麦粉、バターなどが入りますが、だまになったりしないよう、細心の注意が必要。ちょっと面倒な手順ですが、焦らず丁寧に作れば作るほど美味しくなるのもブランケットなのです。ソースを仕上げたら具をまた鍋に戻し、ここでフライパンで炒めたマッシュルームとスプリングオニオンを加えます。15分ほど火を入れ、全体が馴染んだら出来上がり。最後にレモンをぎゅっと一絞りすると味が引き締まります。
クリームシチューが苦手な人も、このあっさりしたブランケットは病みつきになるでしょう。日本の家庭によってカレーライスの味が違うように、フランスのブランケットもそれぞれの家庭の味があります。鶏肉でも美味しくできますので、じっくり丁寧なブランケット、ぜひ挑戦してみてください。
Posted by セギュール ちえみ(DS編集部)
セギュール ちえみ(DS編集部)
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