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家庭フレンチの定番を「旬のさくらんぼ de ガトー・オ・スリーズ」 Posted on 2020/06/14 セギュール ちえみ(DS編集部) 料理好き パリ
今年もさくらんぼが安くなってきました。毎年、マルシェにさくらんぼが並び始めると「いよいよ夏がやってくる!」と、ウキウキするものです。しかも、今年は3月半ばから2カ月もマルシェが閉まっていたので、冬のマルシェから一気に初夏の野菜や果物が並ぶマルシェとなり、例年以上の感動がありました。
とはいえ、出始めのさくらんぼは高価で、1kg20ユーロ前後(フランスでは高い)。フランスではさくらんぼを一度にパクパク大量に食べますので、出始めはちょっと手が出せません。なので、1週間ぐっと我慢して少し値段が下がったところで、まずはそのまま食べる用に黒っぽく熟したさくらんぼを1kgほど購入します。
フランスでは、新しい季節に、初めてその季節の果物を食べる時、喋べらず口に入れ、”お願いごと”をします。何をお願いしたは秘密にしておかないと叶いませんよ。お願いごとをしたら、あとはお喋りしながら食べてもOK。双子のさくらんぼを耳に引っ掛けたり、さくらんぼの季節お決まりのジョーク?を一通り済ませ、夏の到来を感じるのです。
そして、もう1、2週間待つとマルシェではさくらんぼの値崩れが始まります。(1kg5ユーロくらいになる) そうすれば、また1kg購入して、今度はさくらんぼのお菓子を作りましょう。
さくらんぼのお菓子といえば、代表的なのは「クラフティ」。クラフティは硬めのカスタードプリンのような生地にさくらんぼがたくさん入った焼き菓子で、この時期はカフェやサロン・ド・テのデザートメニューにも登場します。
クラフティに飽きたら、クラフティより軽い「ガトー・オ・スリーズ(さくらんぼケーキ)」もオススメ。洋酒に漬け込んだ果物コンフィがたっぷり入ったケイク・オ・フリュイとは一味違い、とても軽い口当たりのケーキです。作り方もとても簡単で、材料をグルグル混ぜるだけ! 特に手順を気にしなくてもふわふわのさくらんぼケーキが出来上がりますよ。
さくらんぼ300g、卵1個、砂糖60g、ベーキングパウダー2g、小麦粉110g、牛乳20g、バター50g、キルシュ小さじ1 (18cmのパウンド型)
卵と砂糖をよく混ぜ、そこに小麦粉とベーキングパウダーをふるったもの、牛乳を加えてグルグル混ぜる。最後に溶かしたバターとキルシュを加え、艶のある生地ができたらさくらんぼを加えてざっくり混ぜ、190度に予熱したオーブンで30分、150度に下げてもう30分ほど焼いたら完成。
さくらんぼから水分が出るので、焼き時間は少し長くかかりますが、準備にかかる時間はたったの10分。さくらんぼが安く手に入ったら、ぜひ、「ガトー・オ・スリーズ」を作ってみてください。キルシュを少し入れますが(なくても良い)、フレッシュなさくらんぼの優しい味が子供たちにも大ウケのお菓子なのです。
Posted by セギュール ちえみ(DS編集部)
セギュール ちえみ(DS編集部)
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