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サステナビリティとは? 身につけるものから地球環境を考える。 Posted on 2020/05/02 エルンスト 順子 ビジネスコーディネーター パリ
「サステナビリティ」とは、将来に渡って、地球環境と社会を保持続けていく取組みのこと。
その他にも、
「エシカルファッション」・・・環境、労働、社会問題などに配慮して素材選びから製造、販売まで行われるファッション
「オーガニックコットン」・・・農薬や化学肥料を使わないで栽培された地で育てられたコットン
「SDGs」・・・2030年までの持続可能な開発目標
「フェアトレード」・・・発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に取引することにより、生産者の持続的な生活向上を支える仕組み
など、ここ数年、環境を意識したキーワードが世界中で溢れてきています。
中でも、このサステナビリティ意識の高いフランスでは、自分が手にとる商品が環境破壊になっていないかどうか? 製造者、生産者は安心、安全な製品を扱っているのか? 食料品でいえば地域生産・地域消費につながっているか? など自分なりに見極めをして消費するのが常識となりつつあります。
供給する側も同様に意識の変革を求められ、地球への配慮・貢献など企業の有り方が強く問われるようになってきました。
今、人々の価値観を一変させている新型コロナウイルスの収束後には、さらに見直すマインドの一つになることは間違いないでしょう。
現在、世界中の経済活動がストップし、原油のマイナス価格が進む石油業界。この石油業界が地球温暖化に一番負担をかけていることはご存知の通りです。では、2番目に負担をかけている業界は? 実は、繊維業界と言われています。 今年2月に行われた世界のファッション業界向け生地展示会、プルミエール・ヴィジョン・パリでは、最新トレンドやテクノロジを駆使した新たな素材とともにエコロジーやサスティナブルな発展について深く関わるバイヤー向けのカテゴリーがいくつもみられ、環境配慮の取り組みの重要性を伝えていました。
身につけている衣類が地球に負担をかけている工程で作られたものだとしたら・・・。
今、毎日暮らしの中で使う衣類から、有力ブランド企業まで、本腰を入れて取り組んでいるのが繊維の国際安全基準「エコテックス」です。これは繊維関連製品において身体に対する有害物質が含まれていないことの国際認証。各国に認証機関があり、フランスはIFTH (Institut Francais Textile Habillement)が管理しています。
エコテックスは350種以上の有害物質を対象とした世界最高水準の安全な製品の証明をはじめ、生産にたずさわる人や環境への負荷にも配慮したサステナブルな工場の認証など繊維ビジネスにおける、世界に通ずる安全の証とのこと。一本の糸、一滴のインクから、製造工程、トレーサビリティまでサステナブルな未来がはじまると、エコテックス公式サイトはまとめています。
フレンチブランドでもパンパース、プチバトーやランジェリーのスロギー(SLOGGI)からラグジュアリーブランドまで、サステナブル企業中心に急速に広がっているのですが、最近は大型スーパーでもエコテックス認証基準が浸透しはじめました。 パリ土産のエコバックでおなじみのフランスのスーパーマーケット、モノプリ(Monoprix)。食料品のほかに、衣類、雑貨、コスメなどが充実しているフランス中にある大型スーパーです。ここでもエコテックスの認証基準がみられるようになりました。「エコテックス」の認証がサステナビリティブランドであることの基準の一つであるのは間違いないようです。
この状況下で日本のエコテックス認証企業でつくられた日本の手拭いを使った素敵なマスクが届きました。赤ちゃんの肌にも安全に使える製品を作る工場から届いたマスク。
一人一人がこれから意識していきたいサステナムーブメントはもう始まっています。
Posted by エルンスト 順子
エルンスト 順子
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ビジネスコーディネーター。神奈川県生まれ。2006年より渡仏。欧州販路開拓 エージェント JPLUG-IN(ジェイプラグイン)代表。フランス、べルギー、イギリスの室内装飾展示会の現地窓口、ブース専門施工、グラフィック、会場通訳、オーダ成約、欧州窓口 のトータルサポート。販売代理店契約、輸出アドヴァイザリー、パリブランディングプロモーションなども加え新しい欧州マーケットを開拓している。