気持ちを盛り上げよう！

我が家の娘は大学生、夫は定年退職者の三人家族。娘は大学講義もあっという間にビデオ講義に替わり「通学時間省略出来て嬉しい！」と喜んでいる。友人と会えなくて寂しくないのか？と聞くと「毎日ネット電話で会っているよ！」と。流石、現代っ子である。問題は私だ。毎日何をしよう？単調では息がつまるだろう。普段から運動不足の自分が言うのも可笑しな話だが、お馴染みのラジオ体操を朝晩、縄跳びを好きなだけ、調理中の煮込み待ち時間、テレビ鑑賞しながらの踏み台昇降運動、体幹トレーニング、筋トレ、柔軟運動等を娘と一緒に楽しく続けている。

ロックダウン下の生活も、工夫を凝らした『快適なサバイバル生活』とでも考えれば少しは気持ちが明るくなるだろう。卓上に緑が欲しいな、と食用レンズ豆水栽培を開始。日々の成長、目にも優しく癒される。野菜が足りなくなった時には、食用レンズ豆でレンズ豆もやしを作り、軽く茹で前菜サラダとして頂く。家族で手作りうどん、クッキー作りもベースには『捏ねる』と言う粘土の要素も備えているので、遊びながら美味しく頂け一石二鳥！と私は大変気に入っている。自宅に庭やベランダがあれば種を蒔いて家庭菜園も楽しい。植物が日々成長するのが目に見え張り合いが出る。そして何よりも癒される。小さなお子さんは観察絵日記にしても楽しめるだろう。

現在私の地域は毎日ニュースレターが届く。ロックダウンした直後にボランティア手作りマスク製作者の募集があった。フランスも他国同様マスク不足である。私も参加！と返信、製作開始！毎日2時間から6時間のボランティア仕事である。ロックダウン中の今、この仕事をしていると退屈はしない。最前線で未知の危険ウィルスと戦う医療従事者の方々を思うと、私の性格上、何もせずにはいられなかった。この作業は糸と材料がある限り続けようと考えている。現在はゴム紐不足のフランス。私の手持ちゴム紐は既に在庫切れ、現在はTシャツを細く切りゴム紐代用としている。耳も痛くなく、なかなか優秀だ。

異国生活で不安な方も多いだろう。一人で辛い気持ちを溜め込まない。せっかくの文明の利器を利用しない手はないのだ。ネット環境を利用し家族や友人らと連絡を取り合い他愛もない話を楽しむ。息抜きは重要だ。深い話が出来なくてもいい。声を出して話し、みんなで爆笑する！ネット飲み会も面白い。飲み会と言ってもお酒は重要ではなく各自が好きな事をしていれば良いのだ。

最近「我慢と辛抱は違うのだ」と言う言葉を耳にした。違いは何か ？私なりに考えてみた。我慢をするとそこに我に対しての抵抗が生じ、耐えるのが辛くなる。成程、ネガティブな印象だ。さて辛抱はどうか？ 我慢と違うのは現実を受け入れるところだ。この苦境をありのままに受け入れ、辛抱の期間を乗り越えた先に明るい未来が必ずある…。 ポジティブシンキング。そうだ、今は辛抱の時期なのだ！ 数日前から市の職員の代理で、医療従事者、消防、警察官等の子供たち、園児から11歳児迄のお世話をしている。日中は有志の教員が担当。彼らの両親は現在休暇も取れない。暗いニュースが飛び交う中、彼らの弾ける笑顔が救いである。

ロックダウン下の生活に良くも悪くも慣れ、新しい生活リズムが生まれ始めた。明らかに以前の自分とは違う。買い物は計画的に必要な物以外購入せず、食材は作り置き総菜に調理保存、無駄なく最後まで使い切る。家族の笑顔も増える。私もミニマリストな主婦に近づいたかな？

最後に、我が家にも医療従事者が数名いる。身内一人は職場で感染をした。10日間の自宅安静監禁生活の後、現在は職場復帰し頑張っている。私達は彼らの存在を忘れてはならない。また彼らの辛い毎日の仕事を少しでも緩和させる為に、不要不急な外出を控える…。私達にできる事はこれだけだ。

Restez à la maison.
亡くなられた世界中の皆様のご冥福をお祈りして・・・。