THE INTERVIEWS

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」 Posted on 2023/06/04 辻 仁成 作家 パリ

近頃、店名を「シャルボン国虎屋」に変更した、わが友、野本将文こと「呑もちゃん」に海外で飲食をやって成功する秘訣、みたいなことを聞いてみた。
彼は、実に、大成功を遂げた日本人実業家であり、シェフなのだ。

パリ、オペラ地区には数軒のうどん屋があるが、その中でも老舗中の老舗「国虎(くにとら)」はオペラが日本人街と言われていた時期から大行列のできる人気の四国うどん店であり、在仏日本人で知らない人間はいない。
欧州のあちこあちにうどん屋が出来ていく先駆けのような店であり、日本人がフランスで店を出す時の一つの成功例として飲食業界では語り継がれている。
高知県出身の店主、野本将文にフランスで成功するための秘訣について聞いた。
ザ・インタビュー「高知の虎、パリで吠える!」
※、日本語がかなり不正確、不安定な野本氏なので、言語翻訳マシーンを使い、読みやすい日本語に変換して、おおくりしております。ご安心ください。
 
 

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」

※2022年12月から、炭焼きの店をスタート。手広い、呑もちゃんこと、野本氏。

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」

辻 仁成(以下、辻):四国うどんの「国虎屋」って、狭い店なのに、物凄い行列だよね、いつも。今日は、フランスで飲食店を成功させたい人たちに、アドバイスを貰えたら。まずは、当時の想い出から・・・。

野本将文(以下、敬称略「野本」):なんかね、ほら、あれ、あの、はじめた頃はとくに、爆発的なヒットやったね~、あの、どっかであたると思っていたんだけど、いや、ほら、ええと、その通りになった。

:秘訣はなに? きっとそこをみんな知りたいんじゃないかな? 教えて貰える?

野本:あ、いや、ま、その、ええと、まず、秘訣その1はだね、あはは、人と違うこと考えるってことだな。ほら、俺はもともと高知でフレンチやってたからね。フレンチとうどん屋、二店展開していた。あ、だから、ほら、でも、フランスも好きで、しょっちゅう遊びに来ていた。ほら、それに、ほら、俺、写真もやるからね。

:写真集持ってるよ。忘れ去られた人形をさ、モノクロで撮影した奴ね。あと、道端の水の反射の写真なんかもあったね。

野本:うん、あれ、好きなんだよ。写真、趣味、俺の趣味。
 

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」

:高知でフレンチやってたのに、なぜパリ?

野本:あ、ほれ、やっぱ、フレンチやからさ。でも、ほら、ここに、パリに、ええと、来てみたら、違う、うどんがあたるって、思いついたわけよ。日本人やし、同じ土俵で勝負するより、日本をここで売った方が早いって思ったわけだ。あはは、どうや。

:成功の秘訣その2は、発想の転換ってことかな。でも、最近は若い日本人シェフがミシュランの星をがんがん獲ってるね。毎年、6~7人いるじゃない? 凄いことだけど、日本人シェフはまじめで技術があるということが世の中的に広まったからね、それはそれで凄いことだな。

野本:でも、まだ俺の時代は差別とかさ、ほら、あれ、なんだっけ、あ、差別ね、いろいろとあったから、フレンチの世界にスっと、ほれ、今みたいに入れない。そこで四国ゆずりのうどんを作って、ええと、いろいろなやつらに食わせてみたら、ほら、うまいじゃん、ってことになってね。在仏日本人の連中もちゃんとした和食出せる店が欲しいって声があがって、ラーメン屋はいろいろとあったからね、あ、ええと、ほら、ならば、うどんだ!って、高知県人は思ったわけじゃん。

:人と違う着眼点だな。

野本:あの、ほら、俺が思うに、パリで成功するためにはそれが一番大事だと思う。ちゃく、がん、てん。パリの伝統に入り込むには30年かかる。伝統の外からならすぐだ。外からなら、ほら、すぐなんだよ。あはは。そこに必要なのは自分の腕だけってことになるからね。あのまま高知で同じこと続けるよりも世界の食の中心地、パリで一花咲かせてみようって思って、出てきた、ちょうど30年くらい前のことやね。

:いいじゃんいいじゃん。面白いね。はげみになるね。
 

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」



ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」

野本:あ、だから、ほら、海外で成功する秘訣その3は、そこで手に入るもので、勝負できるものをやるってことだ。これ、とっても大事だ。うどんは、小麦と水と塩で出来るから材料費もかからないし、労力と時間だけだから、それなら無限にあるからね。あ、でも、ほら、蕎麦屋はそば粉を日本から輸入しないとならない。うどんは世界中どこの小麦でもバランスよく美味いものを作れるし、提供できるんだよ。あはは。俺、あたまいいね。

:頭いい。その秘訣、すごいな。独創的なことをやれ、材料費はかけるな、か。なんか文化会館ではじめた三軒目の「おにぎりバー」も大成功しているじゃない。おにぎり、マジで、美味しいよね。この間も、友だちのカメラマン、岡田ユウスケが感動していた。だからやね、昼時になると、日本好きなフランス人が行列作ってる。この間、文化会館でライブやったら、野本の店があって驚いた。

野本:あ、ほら、あっこに、あの、4軒目を出した。「スタンド虎」という7席くらいの小さな店だけど、でも、でも、ほら、こだわり抜いたおにぎりとハイボールが飲める(笑)。

:すごいね、商売上手だねー。

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」

:ところで、ずっとパリでやり続けるの?

野本:ああ。ええと、ほら、その、そのつもり。高知の国虎は甥っ子に任せている。でも、俺はここで死ぬまでやるかな。いまだに借家なんだけど、自分の家買うくらいなら、店を買いたいんだ。あはは。アイデアと野心は坂本龍馬並みだから、俺一代で出来ることをとことんやってからくたばりたい。

:いいね。のめりこんで、前向きで死んでくれ。フランスで店だしたい日本人、大勢いると思うけど、ひとことで、コツはなに?

野本:あ、ほら、簡単、それ、諦めないことだ。秘訣その4はそれにつきる!

:ロマンについてはよくわかったけど、パリで店出して儲かるの? ぶっちゃけ。

野本:夢があれば、儲かる。大事なのは、ロマンだ!

:ビザとか営業権とか大変だよね。そういえば野本は東欧とかイギリスとかに出店するうどん屋の支援とかやってたよね。

野本:あ、ほら、支援ってほどじゃないけど、アドバイスくらいね。同じ日本人だから。

:それにしても国虎のうどん、うまいよね。忙しくて、もう5年ほど行けてないけどな。

野本:辻、ほら、あかん。はよ、来いよ、たまには。

:俺、自分で料理するし、育ち盛りの子供育てないとならないから、オペラ界隈で遊んでられないんだよ。

野本:あ、そういう忙しい奴に、これ、お土産。カップ麺「手抜きうどん」。世界で初のフリーズドライのうどんスープ。そして、白だし、醤油だし、ポン酢も、ええやろ?

:どこまでも商売人やな、相変わらず。日本で買えるの?

野本:高級デパートで買える。めっちゃ美味いんだから。

:おお、それは楽しみだ。で、売れてんのか?

野本:まあまあやね。でも、パリの土産に最適なんじゃない!?
 

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」

※ 現在は「シャルボン国虎」に名前をかえて、オペラ地区で炭焼きの肉や魚と「うどん」を出しているのであーる。おしまい。

CHARBON KUNITORAYA
5,rue villedo 75001 paris

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」

野本「まいど」

ザ・インタビュー「海外で飲食やって儲かる秘訣。パリの国虎屋の呑もちゃんに訊いたぁ!」



自分流×帝京大学
地球カレッジ

posted by 辻 仁成